明けましておめでとうございます。お陰様でマイボイスコムは23回目の新年を迎えました。これも皆様のご愛顧のお陰で心から感謝申し上げます。
昨年度からのコロナ禍によってリサーチ市場も大きな影響を受けています。日本マーケティングリサーチ協会の「第46回経営業務実態調査(2021年6月24日)」によると、2020年度のアドホック調査市場は1350億円で前年度比93.1%で▲6.9%も減少しています。昨年度は感染防止のためにグループインタビューや会場調査の様なオフライン調査ができなくて、マーケティングリサーチも大幅に削減されました。
その中でネットリサーチは前期比105.9%の807億円で伸びていて、人と人の接触がないネットリサーチにシフトした結果といえます。そして、ウィズコロナによって生活行動や消費行動も大きく変わっていますから、企業もその価値観や行動の変化を的確に捉えてマーケティング戦略を見直すことが必要で、ネットリサーチの役割がより大きくなるように感じています。
2021年度のリサーチ市場が増加に転ずるのか、ネットリサーチの比率がより高まるのかは分かりません。ネットリサーチでは把握できないことも多々ありますし、既にグループインタビューや会場調査も復活していて、昨年度よりはコロナ前の構造に戻るとも思われますが、それでも出来るだけネットリサーチでという流れは変わらず、グループインタビュー等もオンラインが増えているので、定量、定性の両面でネットリサーチが果たす役割がより大きくなると思われます。
しかし、問題はネットリサーチ会社が、自動化と装置化による早さと安さの競争が進み、お客様の課題を理解して適切な調査設計ができて、実査と分析とレポーティングと考察提案の出来るリサーチ会社がなくなっていることです。自社にリサーチスタッフがいる企業は良いでしょうが、一般の事業会社は市場やお客様の変化を把握する手段が限られてしまいます。
現在のネットリサーチの納期と価格では、リサーチャーを育成して、自動化したリサーチよりより多くの作業工数のかかるコンサル型リサーチを提供するのは難しいのが現実です。そして、同じネットリサーチという認識では同じ価格帯で競争せざるを得ないというジレンマがあります。
そのため当社では自主調査による「アンケートデータベース(MyEL)」と、独自に開発した「テキストマイニング(TextVoice)」のデジタルマーケティングで固定収益を図り、Consultancy & StoryTellerと言われるコンサル型リサーチを実現する方針を6年前から進めています。
「テキストマイニング(TextVoice)」も大手の飲料会社や食品会社、流通企業、保険会社、広告代理店、リサーチ会社等への導入が進み、やっと固定収益を出すことが出来るようになりました。これからはこの収益も活用しながら、コンサル型リサーチの提供できる会社を目指して努力を続けて参ります。
マイボイスコムの経営理念は「生活者と企業のコミュニケーションメディアとして、クオリティの高い生活者情報と専門性の高いサービスで企業のマーケティングを支援し、豊かな消費生活に貢献する。」です。お客様に信頼されるリサーチサービスをリーズナブルな価格で提供し、サービスの品質で選ばれる会社になるため社員一同頑張って参ります。
今年もよろしくお願いいたします。
2022年1月4日
マイボイスコム株式会社
代表取締役社長 高井和久