クオリティの高いデータの回収はもちろんですが、調査設計やデータ分析、レポーティングと考察・提案の出来る「コンサル型リサーチ」の出来るリサーチ会社を作りたい。
この20年間でのネットリサーチの早さ安さの市場競争の中で、技術者(リサーチャー)を育成することも、他社よりも多くの労力を投入することも許されなくなりました。
その結果として、伝統と技術力のあったリサーチ会社が無くなってきました。
数年前まで日本マーケティング協会が隔年で「マーケティングリサーチの現状」というユーザー調査を実施していました。
調査報告会には毎回参加していましたが、ユーザー企業は今の日本のリサーチ会社に対して、専門性や技術力が下がっている。意思決定に寄与できる比率が下がっている。という結果で危機感を覚えました。
日本のネットリサーチは世界で1番安い水準になっているという報告を聞いたことがあります。
そこまで安さを追求する必要はなかったはずですが、営業力と自動化で急成長した大手ネットリサーチ会社が低価格での提案を進めたため、各社ともその水準に合わせざるを得ませんでした。
早く、安く、気軽にリサーチができる環境にはなったけど、リサーチ会社の技術力が下がり意思決定に寄与出来にくくなったことは、リサーチ業界にとっても、クライアント様にとっても不幸なことです。
ただし、この3、4年は市場競争も少し落ち着いて、極端に安い金額まで値引する企業もなくなり、サービスの質的向上に各社が動き始めているように感じています。
無理な値引き競争は止めて、提供価格が1~2割引き上がるだけでもリサーチ会社の経営は良くなります。
これからは早さと安さの競争ではなく、クライアントの意思決定に役立つサービスを目指して、各リサーチ会社がサービスの専門性や技術力で競う業界に戻ることを望んでいます。
少なくとも当社は、品質重視のコンサル型リサーチの実現に向けて微力ながら頑張って参ります。