ネットリサーチの多頻度回答がデータ品質の低下を招いているのではないかという指摘があります。
多頻度回答は、回答者の回答慣れや、回答による学習効果、そして、回答者のゲーム化やプロ化(おそらくこの調査はこう答えてもらいのだろうからこう答えよう。この予備調査にこう答えれば本調査が来るからこう答えよう等)などが懸念されています。
そして、実際にあるネットリサーチのモニター登録をすると、毎日のように5、6件の調査依頼が届きます。それも殆どはスクリーニングのための予備調査で、2ポイント、3ポイントといった低い謝礼での調査です。
自分が実際にそのネットリサーチ会社の関係者から聞いた話によると、その会社は1日に平均で4件の調査をアクティブモニターに依頼しているのだそうです。
これを年間の営業日数で計算すると、年間で約800件の依頼件数になります。
回収率を少し低めの30%としても、年間の回答頻度は240回です。そして、そのモニターの方は他のサイトにも登録しているから、年間に300回も、400回もアンケートに答えているかもしれません。
かつては多頻度回答は避けるというのが以前のリサーチ業界の常識でした。しかし、ネットリサーチの世界になってこの多頻度回答防止という考えは全く欠如してしまっているようです。
多頻度回答がどの程度の影響があり、回答傾向にどれだけ影響するのかは分かりませんが、私はあまりにも過度な回答頻度のパネルは、回答データの品質面でやはり問題があるのではないかと思います。
そして、当社はパネルの規模と、調査の件数のバランスを取ることで、できるだけ多頻度回答は避けていく考えでいます。
2012年の実績で当社のモニターの回答頻度を計算したところ、回答頻度の頻度は17回/年でした。これには、予備調査、本調査、自主調査を含んだすべてのアンケートの回答総数です。
当社は「しっかりしたデータをお客様にお届けする」ため、これからもモニターの回答頻度が過多にならないように注意していきたいと考えています。
〇マイボイスコムのモニター品質管理
http://www.myvoice.co.jp/service/quality.html
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