謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
マイボイスコムはお陰様で22回目の新年を迎えました。これも皆様のご愛顧のお陰で心より感謝いたします。
当社がCRC総合研究所(現在の伊藤忠テクノソリューションズ)の社内ベンチャーで、ネットリサーチの事業化に取り組んだのは1998年の4月でした。その前年の社団法人ニュービジネス協議会の「ビジネスプランコンテスト97」に、「ネットフォーカスグループの組織化による情報サービス事業」というプランで応募して、優秀賞を受賞したのが動き出す切っ掛けでした。
その受賞も示して会社に社内ベンチャー制度を作ってもらい、全くの手探り状態でシステムを作り、モニターを集めて、Webアンケートの調査票を作って回答依頼のメールを送ってそれで本当に回答が集まるのか、ちゃんと分析できるデータで役立つレポートが作れて、お客様のお役に立つ情報サービスができるかを1人で検証しました。
1997年はまだネットリサーチというサービス自体がなく、日本のインターネット人口も200万人位しかいなくて、20代のお宅男性の玩具などと言われていた時代でしたので、そんな偏った対象者に聞いたデータは使えるわけがない。という風潮でしたので、今まで郵送調査で実施していた調査を、全く同じ属性の対象者に、全く同じ調査票で回収して、分析結果を比較検証してお客様にネットリサーチでもここまで出来そうです。と説明して歩く毎日でした。
しかし、モニターは思っていた以上にちゃんと回答してくれるし、集計した分析結果は傾向値も明確に出て、郵送調査ともそんなに違わない結果が出ることに驚き、喜びながら準備作業を進めていました。
それから23年が経って、ネットリサーチはマーケティング調査でも、学術調査でも当たり前に使われる調査手法になっています。日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)の資料によると、アドホック調査市場は1450億円で、そのうちネットリサーチが761億円で、市場全体の52.5%も占めてる主要な調査手法になり、黎明期から取り組んできた私には隔世の感があります。
一方でネットリサーチの早さと安さとシステム化の激しい競争によって、リサーチ会社の技術力や対応力が低下しているとも感じています。お客様の課題に対して適切な調査設計を考えて、分かり易く回答しやすい調査票を作り、回収データーのクリーニングもちゃんとやり、正しく集計・分析して、お客様の意思決定に役立つ提案ができる会社がかなり減ってしまいました。
当社はネットリサーチが中心ですが、早く安く機械的にデータを集めるのではなく、適切な設計や分析や提案のできるリサーチ会社を目指します。2021年も市場競争は厳しいと思われますが、技術力と対応力でお客様に喜ばれ、信頼される会社を目指してこれからも尽力して行く所存です。
昨年は新型コロナで酷い1年になりましたが、今年は感染も早期に終息して、皆様にとって幸多い1年になることを祈念いたします。新年もよろしくお願いいたします。
マイボイスコム株式会社
代表取締役社長 高井和久
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