チープでもシステムができて大変に便利になったのですが、ある時に大変なことが起きてしまいました。
まだパネルが数千人しかいなかった時です。その頃としては大規模な3千人ほどにお願いをする案件でした。いつもの様に夕刻から実査の準備をして、10時過ぎに依頼メールを送信して帰宅をしました。
翌日会社に行くとシステムがダウンしていました。その頃は夜中の11時過ぎがインターネット利用のピークで、10時過ぎに送ったメールでかなりの人が回答に来てくれたため、PC1台のシステムが音を上げてしまったようです。
恐る恐るメールを開きました。約600人からメールが入っていました。
「システムが繋がらなくて答えられません。」というものが大多数でしたが、「どうなっているんだ。」、「折角来てやったのにふざけるな。」と怒っておられる方も沢山いました。
岡島君が「やばいね。この事業もここまでかもしれないね。」とぼそっと言いました。
メールの文面は1人1人違います。心配してくれている人もいれば、戸惑っている人もいます。そして、本当に怒っている人もいます。これは一斉メールで済むことではないと思いました。それで、1人、1人の文面を読んで、自分なりにお詫びのメールを送ることにしました。
昼間から夜中までかけて約600人にメールを送りました。「マイボイスコムの高井です。この度はご迷惑をおかけしてしまって大変申し訳ありません・・・・・。」、1人1人のメールを読んで、感じたことをお伝えしながらお詫びをしました。
「確かにこれで終わってしまったかもしれないな。」そんな失望の中でこの日は帰宅をしました。
でも次の日にメールを開いて驚きました。送ったメールの半数以上の400人位から返事が来ていたのです。
「そんな事情ならしかなたいですね。」、「ちゃんと返事をもらえるとは思っていませんでした。」、「そんなに怒ってはいませんから大丈夫ですよ。」、「1人で頑張っているんですね。これからも応援します。」そんな凄く温かいメッセージに驚くとともに、本当に嬉しくてまたウルウルしてしまいました。
インターネットって無味乾燥な世界ではない。ちゃんと気持ちや誠実さが伝わるコミュニティなんだ。そんなことを実感することができました。
そして、私がやろうとしているネットリサーチ事業は、こんな善意のモニターによって支えられているのであって、そのことを大切にすることが重要なんだと確信しました。
そのため、当社の行動指標に「モニターと顧客に誠実に対応して、信頼される会社を目指す。」という項目を入れて、社内では常に「モニターを大切に!」と話すようにしています。
モニターとの信頼関係こそが、良いネットリサーチを提供するための根っこだと私は思っています。
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