そんな酷い話をたびたび聞くようになり、何かネットリサーチの市場が変な方向に動いてしまったのではないか・・・、と嫌な胸騒ぎを感じるようになりました。
そして、この4月に(社)日本マーケティング協会が実施した「マーケティングリサーチの現状」という調査結果の発表会に行って、大きなショックを受けました。
この調査は同協会が1985年から隔年でMRのユーザー企業を対象に実施しているもので、今回で14回目というとても歴史のある調査です。
この調査の「MRが貴社の経営の意思決定に貢献していますか?」という質問に対して、「十分貢献している」というトップボックスの回答が9%で、始めて1桁になったというのです。
同じ調査項目の2006年の結果は19%で、2年前の2008年でも17%はありました。それが、たった4年間で19%→9%へと10ポイントも急低下したことになります。
思わず調査を担当した調査研究委員会の方々と、パネラーであったMRユーザー企業の皆様に「何故、意思決定への貢献度がこんなに急落してしまったのだと思いますか?」と質問をさせて頂きました。
それに対して皆さん深刻な顔で・・・、
「早く安く調査ができる環境になり、基本が守られていない調査が増えてしまった。」
「最近の不況でMR予算が大幅にカットされたため、安さ偏重になっていたことも影響していると思う。」
「ここ数年はいい加減に実施した調査の数字だけが一人歩きしていて大変困っている。」
とお答えいただきました。
これって、とてもとても大変なことではないでしょうか?
そして、ネットリサーチ会社の早さと安さを優先した取り組みが、影響しているように思えてなりません。
ネットリサーチは急拡大をしましたが、ここでちょっと立ち止って、今のサービスは本当にお客様に役に立っているのか、本当に社会に役立っているのか、しっかり考えるべきところに来ていると強く感じています。
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