マーケティングリサーチ(MR)は、マーケティングの意思決定を行うために実施するので、意思決定に「十分寄与している」という意見が9%というのはあまりに低すぎます。
「ある程度寄与している」が71%あり、そこまで合わせた80%が寄与率と見れば低くもありませんが、トップボックスが4年間で19%から9%に下がってしまったのですから、何か大きな問題が起きていると考えるべきでしょう。
こちらの調査では、定量調査と定性調査に分けてユーザーの「満足度」も聞いていました。
定量調査の満足度は49%(「満足している」5%、「やや満足」44%)で、定性調査の満足度は60%(「満足している」16%、「やや満足」44%)という結果です。
当社は色々なお客様のCS調査もやっていますが、49%の満足度は決して高いといえませんし、定性調査より定量調査が11ポイントも満足度が低いのは、ネットリサーチの影響もあると考えるべきでしょう。
そして、MRの現場ではネットリサーチの問題が頻発していますので、意思決定の寄与度の低下や、低い満足度は、今の市場をよく反映した結果だと思います。
ネットリサーチは生活者の意見を収集、分析するのにとても便利で有効な手段です。
しかし、安易な調査設計や、パネル管理、回収方法、データクリーニングを続けて行くと、ネットリサーチなんてやっても仕方がないと、その調査手法自体が否定されてしまうことを危惧しています。
そして、ネットリサーチはMRの主要な調査手法になっていますので、ネットリサーチの否定はMRの否定になり、日本のマーケティングの仕組みまでおかしくなってしまうかもしれません。
マーケティングリサーチに係わるすべての人が危機感を持って、ネットリサーチのクオリティ改善に向けた取り組みを始めるべきではないでしょうか。