今年は年末に入って、リサーチ業界にとってとても大きなニュースが入って来ました。
その1つは電通リサーチと綜研が2011年に合併してできた電通マーケティングインサイト社が、マクロミル社の子会社になるという発表があったことです。
40年以上の歴史と伝統のある、技術力でも定評のあったあの旧電通リサーチがマクロミルの子会社になるというだけでもリサーチ業界にとっては驚くほど大きなニュースでした。
そして、次はその電通マーケティングインサイトを傘下に収めたマクロミル社自体が、米国の投資ファンドのベインキャピタルに100%売却されるというニュースが12月11日にありました。売却額は513億円という巨額なものでした。
これによってマクロミル社は上場が廃止されて、筆頭株主のヤフーには110億円が入るのだそうです。
ヤフーはもともとインテージと合弁で作ったインテージインタラクティブ社でネットリサーチに関わっていましたが、その後、インフォプラント社とインタースコープ社を買収してヤフーバリューインサイト社を作り、マクロミル社との合併によって同社の筆頭株主になっていました。
それが今回の米国投資ファンドへの全株売却で、ネットリサーチ業界から離れることになります。
ネットリサーチ業界再編の主役はヤフーなんだなあ、やはりネットリサーチでも「リサーチ業界」よりも「ネット業界」の方が力が大きいのだなあと事あるごとに実感してきましたが、今回の株式売却でネットリサーチ業界から離れることになるようです。
でも、マクロミル社は米国系投資ファンドが100%の株式を持つので、またどこかの企業にその株式は売却されます。1部にはその最終的な売却先の候補は、カンターグループか、イプソス、ニールセンが有力という報道もあり、外資系リサーチ会社の傘下に入ることになるのかもしれません。
マクロミルはとても組織が大きく、営業力も強くて、現在のネットリサーチ市場では価格決定力もあるくらい強い存在になっています。
その巨大なネットリサーチ会社がどの様になるのか、それは、日本のネットリサーチ業界だけでなく、リサーチ業界、マーケティング業界にとっても凄く大きな影響のあることなので、日本のマーケティング市場と、そして、同じリサーチ業界で働く同社の社員にとっても良い形になることを祈りながら、今後の動きを見守りたいと思います。
〇マクロミル社の米国ファンド売却の関連記事
http://byus.me/facts/286/questions/821
http://toyokeizai.net/articles/-/26995
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