自分は1998年から16年もネットリサーチに取組んでいますが、最近、ネットリサーチは本当にリサーチ市場を良い形で前進させたのだろうか?と思う時があります。
リサーチ業務を15年やってからこの事業を立ち上げた経験から、リサーチで重要なのは、しっかりした品質のデータを集めることと、課題解決のための調査設計力、分析力、提案力だと思ってやってきました。
しかし、お客様にはサービスやデータの品質は見えにくいため、実際には、パネルの規模や、早さ、安さ、システムの利便性等の「リサーチインフラ」が市場競争の中心になっています。
そして、その結果として、職人的な技術に拘っていた従来型のリサーチ会社は縮小・撤退し、リサーチ会社の技術力は低下して、お客様のリサーチ会社に対する満足度や、意思決定寄与度がこの10年で大幅に低下※してしまいました。 (※日本マーケティング協会の「日本のマーケティングリサーチの現状」より)
結局リサーチを使うお客様も、リサーチを提供するリサーチ会社も、あまりハッピーでなくなっているように思えてなりません。
私は良いリサーチを提供するには、スタッフの専門性とデーターの品質が肝だという考えに変わりはありません。そして、それらが提供できる市場環境を作ることが、結局はお客様とリサーチ会社の双方にとって有益なことなのだと思います。
しかし、現在のネットリサーチの取引条件では、技術者をしっかり育成して、リサーチ課題についてお客様とよく話し合い、相談し、考えながら業務を進めるだけの時間と費用がありません。
このあたりに現状のジレンマを感じているのですが、やはり弊社は弊社がリサーチの肝だと思い続けてきた、スタッフの専門性と、データの品質、そして、独自サービスの開発、に拘ってやって行きたいと考えています。
ネットリサーチの市場競争はとっても熾烈で厳しいですが、リサーチ経験者としての信念を持って頑張りますので、これからもマイボイスコムをよろしくお願いいたします。
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