日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)から「第46回経営業務実態調査」が発表されました。
こちらはJMRAが会員企業を対象に調査を行ったもので、リサーチ市場の統計はないからこの市場を理解するのには1番良い資料だと思います。
2021年4月1日から6月1日に、会員企業109社を対象に郵送調査で実施をして90社が回答した結果です。
これによると2020年度の日本のマーケティングリサーチの市場規模の推計値は2,202億円で、そのうちのアドホック調査は1,350億円と推計されていました。
前期比ではマーケティングリサーチ全体が96.1%で▲3.9%の減少で、アドホック調査(個別調査)は93.1%で▲6.9%の減少です。
特に「既存手法」の落ち込みが大きく前期比79%の▲21%もの減少になっており、コロナ禍でグループインタビューや会場調査等の対面型の調査が出来なかったのが大きく影響しているものと推察されます。
2020年度の日本のGDPは▲4.6%で、2008年のリーマンショックの時の▲3.6%より大幅な減少でした。
リーマンショックの翌年の2009年度のマーケティングリサーチ市場は前期比93%まで減少したので、2020年度も大幅な落ち込みがあると思っていましたが、やはり既存手法を中心に落ち込んで約7%の市場縮小となりました。
また、この調査では「当面の経営上の問題点」についても聞いていますが、以下が上位の問題となっています。
1位 新型コロナ感染症における影響 66%
2位 売上不振 43%
2位 中堅リサーチャー不足 43%
4位 残業問題、働き方改革 39%
5位 社員の調査スキル不足 29%
6位 調査の価格安 28%
6位 コンサルティング力不足 28%
新型コロナによって売上が不振になり、リサーチ価格の低下や、社員のスキル不足や残業や働き方改革の課題もあって、リサーチ会社の経営環境が非常に厳しくなっています。
それはマイボイスコムを23年間経営してきて強く実感していることでもあります。
リサーチ会社は従来のサーベイだけでは生き残れず、「Consultancy & Storry Teller」と言われるコンサル型のサービスが提供できるか、新しいテクノロジーを活用した「New Research」のサービスを作ることが出来るか、という選択が求められているのだと思います。
マイボイスコムは、「テキストマイニング(TextVoice)」と「アンケートデータベース(MyEL)」でNew Researchのサービスを作り、その上で人材の技術力、コンサル力、提案力を強化してコンサル型リサーチの提供できる会社を目指しています。
まだまだやるべきことが沢山ありますが、皆様のお役に立つリサーチ会社を目指して努力して参ります。
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〇JMRA 経営業務実態調査 http://www.jmra-net.or.jp/activities/trend/investigation/
〇マイボイスコム https://www.myvoice.co.jp/